【サンフラワー】ビーチボーイズ・1969年の著作権対策リリース 収録曲予測🤠

(2019/9/9 一部修正) 

 こんにちは。ビーチ・ボーイズのファンになって以来、一年の中で最も楽しみな月が12月になったWataです。

 さて、著作権対策リリースの季節が近づいて参りました。ビーチ・ボーイズも、例年のように50年前の未発表音源をまとめて発売すると予想されます。マーク・リネットが掲示板に「これからの発表に乞うご期待」と投稿したため、ファンの期待も高まっていますが(「これからの発表」が何を指すかは未だ不明です)、今年はどんなものが出るのでしょうか?

  まず、1969年に録音されたアルバムは「Sunflower」ですが、このアルバムの録音は翌年の1970年にも行われているので、アルバムの収録曲でまとめる(=1970年録音の音源も収録)、もしくは録音年別でまとめる(=1969年の録音のみ収録)の両方の場合が考えられますが、これまでのビーチ・ボーイズ著作権対策リリースは全て後者だったので、ひとまず1969年の録音曲のみで考えてみましょう。

 

1969年に録音された曲は?

 まず、1969年に録音された曲とそれらの発表状況を整理してみます。

楽曲 発表/未発表の状況
Forever Sunflower(1970)
San Miguel Ten Years of Harmony(1981)
Got to Know the Woman Sunflower(1970)、 1970/6/19に編集されたアルバム"Reverberation*1"用のモノ・ミックスは未発表
Deirdre Sunflower(1970)
What Can the Matter Be 未発表*2
Celebrate the News シングル(1969)
Loop De Loop Endless Harmony Soundtrack(1998)、 オリジナル・ミックス(ファルセット入り)は未発表
All I Wanna Do Sunflower(1970)
Break Away シングル(1969)
Slip On Through Sunflower(1970)
I'm Going Your Way (California Slide) 未発表*3
Cotton Fields (シングル・バージョン) シングル(1970)
Soulful Old Man Sunshine Endless Harmony Soundtrack(1998)
Walkin' I Can Hear Music: the 20/20 Sessions(2018)
Games Two Can Play Good Vibrations: 30 Years of the Beach Boys(1993)
Add Some Music to Your Day Sunflower(1970)
When Girls Get Together Keepin' The Summer Alive(1980),、オリジナル・ミックス及び"Reverberation"用のカラオケ・ミックスは未発表
Our Sweet Love Sunflower(1970)(ストリングスのみ1970年録音)
Til' I Die (デモ) 未発表*4
Raspberries, Strawberries  未発表*5
This Whole World Sunflower(1970)
Tears in the Morning Sunflower(1970) (ストリングスと曲の終わりのピアノのみ1970年録音)
Where Is She? Made in California(2013)
Dennis' Piano Interlude (= (Wouldn't It Be Nice to) Live Again (デモ)) 未発表
Susie Cincinatti シングル(1970,74)、15 Big Ones(1976)
Back Home Made in California(2013)、デモ(1970/1/18録音)は未発表
Lady (Fallin' In Love) Summer Love Songs(2009)、シングル・ミックス(1970年にDennis Wilson & The Lamoboとして発売)は公式ではCD未発売(ストリングスのみ1970年録音)
Carnival (=Over the Waves) 未発表

 ※傍線の曲に関しては、1970年にも録音が行われました。

 28曲と、アルバムを2枚発売してもまだ余るほどの曲を録音しており、この時期のビーチ・ボーイズの創作意欲が充実していたことが伝わってきます。

 

 

発売される可能性の高い楽曲

次に、具体的にどんな楽曲が発売されそうかまとめてみます。

- What Can The Matter Be?

- I'm Going Your Way (California Slide

- Til' I Die (ピアノ・デモ)

 

- Raspberries, Strawberries (At My Windowの初期バージョン)

 

- Wouldn't It Be Nice to Live Again (ピアノ・デモ)

 

- Forever (歌詞が別のバージョン) *6

 

- Loop De Loop (いわゆる「Landlocked」(2nd Brother Album)に収録されている、ファルセットで歌われている初期ミックス)

 

- When Girls Get Together (「Landlocked」収録の初期ミックス)

 

この他、上記の表の発表済み楽曲のうち、それぞれの曲のカラオケ/アカペラミックス*7や、アルバム未収録のもの(具体的には"San Miguel", "Break Away", "Celebrate The News", "Soulful Old Man Sunshine", "Cotton Fields", "Games Two Can Play", "Where Is She?")の新ミックスが収録される可能性は高いと思われます。

 

 

 

 

 

発表されるかもしれない楽曲

 加えて、(1969年中に全てが録音されたかどうかわからないなどの理由で)断言はできないけれども、収録される可能性がある曲は以下のとおりです:

 

- Add Some Music to Your Day (歌詞が異なる初期バージョン)

 

- This Whole World (ボーカルが異なるロング・バージョン) *8

 

- Tears in the Morning (ボーカルが異なる初期バージョン)

 

- Lady (Fallin' In Love) (1970年に"Dennis Wilson & Rambo"名義で発売され、いわゆる「Landlocked」にも収録されているオリジナル・バージョン -「Summer Love Songs」に収録されているものと異なり、冒頭のストリングスが入っていない)

 

- Time To Get Alone (アカペラ・ミックスの修正版) *9

 

- Carnival (Over The Waves)

 

- スティーブン・カリニッチとブライアンが制作した詩の朗読アルバム「A World of Peace Must Come」用のバック・トラック

 

 

 

まとめ

こうして全体を見てみると、昨年に比べて完全な未発表曲は少なめですが、まとまった編集盤を製作するのに十分な楽曲があることがわかります。(残念ながら、1969年のコンサート音源は、正式のものは一切残っていないそうです)

 

更に、まだ知られていない未発表音源が今回初めて収録されるかもしれません。例えば、昨年の場合、"Be Here in the Morning Darling", "Rock & Roll Woman", "Well You Know I Knew", "Is It True What They Say About Dixie?"などは発売の一週間ほど前まで存在そのものが知られていませんでした。

 

今年のリリースで、「Sunflower」の製作の過程に新たな光が当てられることになるでしょう。

 

…と、いろいろと述べてきましたが、実際に発売される確証は未だありません。

 

また、仮に今年は無事に発売されたとしても、来年以降も継続される保証はありません。昨年発売された「Wake the World」「I Can Hear Music」の公式によるプロモーションがほぼ皆無であったことからも分かる通り、権利を所有しているキャピトル/UMGはこれらの著作権対策リリースに総じて冷淡です。

 

それでは、これらのリリースを続けてもらうために、私たちファンには何ができるでしょうか――身も蓋もない話ですが、発売されたものを購入することが一番の支援になります。実は、アラン・ボイドも昨年12月に以下のように話しています:

 

そもそも、このようなとても専門的でニッチな企画を実現するために、レコード会社の支援を取り付けることが、とても困難になってきています。(中略) 皆さんもお気づきかもしれませんが、今年のリリースのプロモーションが一切なかったことに、少し傷ついています。これらの企画に注がれた労力を評価していただける皆さんに、アルバムの購入という方法で支えていただき、このようなビーチ・ボーイズアーカイブ・リリースの市場が存在することを、ユニバーサル・ミュージックに証明していただきたいと、私たちは望み、祈っています。(中略) 私たちは、得ることのできるあらゆる支援を必要としています。

 

(出典:

 

http://smileysmile.net/board/index.php/topic,26268.msg644965.html#msg644965)

 

 レコード会社が、ビーチ・ボーイズの未発表音源を発売することによって得られる利益よりも、発売に必要な費用のほうが高くつく――つまり、割りに合わないと判断したら、おそらく、こうしたリリースはなくなってしまいます。ですから、著作権対策リリースが続いてほしいと思われる方(で、財布に余裕のある方)は、ぜひ、今からでも「Wake the World」や「I Can Hear Music」を購入してください。そして、今年のリリースが発売された際は、そちらもご購入いただければ、きっとマークやアランも喜ぶと思います。

 

 

 

参考資料:

 

Bellagio 10452: http://bellagio10452.com/index.html

- Til' I Die (ピアノ・デモ)

- Raspberries, Strawberries (At My Windowの初期バージョン)

- Wouldn't It Be Nice to Live Again (ピアノ・デモ)

- Forever (歌詞が別のバージョン) *10

Loop De Loop (いわゆる「Landlocked」(2nd Brother Album)に収録されている、ファルセットで歌われている初期ミックス)

-  When Girls Get Together (「Landlocked」収録の初期ミックス)

この他、上記の表の発表済み楽曲のうち、それぞれの曲のカラオケ/アカペラミックス*11や、アルバム未収録のもの(具体的には"San Miguel", "Break Away", "Celebrate The News", "Soulful Old Man Sunshine", "Cotton Fields", "Games Two Can Play", "Where Is She?")の新ミックスが収録される可能性は高いと思われます。

 

 

発表されるかもしれない楽曲

 加えて、(1969年中に全てが録音されたかどうかわからないなどの理由で)断言はできないけれども、収録される可能性がある曲は以下のとおりです:

- Add Some Music to Your Day (歌詞が異なる初期バージョン)

- This Whole World (ボーカルが異なるロング・バージョン) *12

- Tears in the Morning (ボーカルが異なる初期バージョン)

- Lady (Fallin' In Love) (1970年に"Dennis Wilson & Rambo"名義で発売され、いわゆる「Landlocked」にも収録されているオリジナル・バージョン -「Summer Love Songs」に収録されているものと異なり、冒頭のストリングスが入っていない)

- Time To Get Alone (アカペラ・ミックスの修正版) *13

- Carnival (Over The Waves)

- スティーブン・カリニッチとブライアンが制作した詩の朗読アルバム「A World of Peace Must Come」用のバック・トラック

 

まとめ

こうして全体を見てみると、昨年に比べて完全な未発表曲は少なめですが、まとまった編集盤を製作するのに十分な楽曲があることがわかります。(残念ながら、1969年のコンサート音源は、正式のものは一切残っていないそうです)

更に、まだ知られていない未発表音源が今回初めて収録されるかもしれません。例えば、昨年の場合、"Be Here in the Morning Darling", "Rock & Roll Woman", "Well You Know I Knew", "Is It True What They Say About Dixie?"などは発売の一週間ほど前まで存在そのものが知られていませんでした。

今年のリリースで、「Sunflower」の製作の過程に新たな光が当てられることになるでしょう。

…と、いろいろと述べてきましたが、実際に発売される確証は未だありません。

また、仮に今年は無事に発売されたとしても、来年以降も継続される保証はありません。昨年発売された「Wake the World」「I Can Hear Music」の公式によるプロモーションがほぼ皆無であったことからも分かる通り、権利を所有しているキャピトル/UMGはこれらの著作権対策リリースに総じて冷淡です。

それでは、これらのリリースを続けてもらうために、私たちファンには何ができるでしょうか――身も蓋もない話ですが、発売されたものを購入することが一番の支援になります。実は、アラン・ボイドも昨年12月に以下のように話しています:

そもそも、このようなとても専門的でニッチな企画を実現するために、レコード会社の支援を取り付けることが、とても困難になってきています。(中略) 皆さんもお気づきかもしれませんが、今年のリリースのプロモーションが一切なかったことに、少し傷ついています。これらの企画に注がれた労力を評価していただける皆さんに、アルバムの購入という方法で支えていただき、このようなビーチ・ボーイズアーカイブ・リリースの市場が存在することを、ユニバーサル・ミュージックに証明していただきたいと、私たちは望み、祈っています。(中略) 私たちは、得ることのできるあらゆる支援を必要としています。

(出典:

http://smileysmile.net/board/index.php/topic,26268.msg644965.html#msg644965)

 レコード会社が、ビーチ・ボーイズの未発表音源を発売することによって得られる利益よりも、発売に必要な費用のほうが高くつく――つまり、割りに合わないと判断したら、おそらく、こうしたリリースはなくなってしまいます。ですから、著作権対策リリースが続いてほしいと思われる方(で、財布に余裕のある方)は、ぜひ、今からでも「Wake the World」や「I Can Hear Music」を購入してください。そして、今年のリリースが発売された際は、そちらもご購入いただければ、きっとマークやアランも喜ぶと思います。

 

参考資料:

Bellagio 10452: http://bellagio10452.com/index.html

*1:キャピトルでの最後のアルバムとして計画されましたが発表に至らず、代わりに「Live In London」が発売されました。詳細はこちら

*2:デニスの曲とされることが多いですが、こちらのCraig Slowinski氏(Endless Summer Quarterly)の書き込みによると、誰が作曲したかは不明で、録音にはブライアン以外全員が参加しているとのことです。

*3:デニスの曲で、ブート化されています。

*4:ピアノデモで、歌は入っていないとされています

*5:キングストン・トリオの曲のカバーで、後に"At My Window"になりました。

*6:マーク・リネット&アラン・ボイドとのQ&A@Discord [パート2] - Busy Doin' Somethin')のアラン・ボイドの発言より:「それと、「Forever」の初期のデモはありませんが、歌詞の一部とボーカルが異なる別ミックスがあります。」)

 

- This Whole World (イースタン航空の1970年のCM用に作られた、終わり方が異なる別バージョン)((同記事のアラン・ボイドの発言より: 「また、1970年にイースタン航空のCMのために製作された、「This Whole World」の終わり方の異なるバージョンがあります。割と良いですよ。」

*7:同インタビューのアラン・ボイドの発言より: 「けれども、できれば全曲のアカペラとインストを収録したいと思っています。特に『Sunflower』ではそうしたいです。」

*8:2000年頃に、「Sunflower」のCD再発に際してのボーナス・トラックの一つとして提案されたといわれていますが、未だ未発表です。参考:

 

FRIDAY NIGHT BOYS: The Beach Boys - Brother Re-Issues Bonus Tracks...

 

*9:昨年発売された「I Can Hear Music」に収録されたものですが、Aメロのバック・ボーカルが一部欠落していたので、アラン・ボイドがいつか修正版を出したいと述べています。

*10:マーク・リネット&アラン・ボイドとのQ&A@Discord [パート2] - Busy Doin' Somethin')のアラン・ボイドの発言より:「それと、「Forever」の初期のデモはありませんが、歌詞の一部とボーカルが異なる別ミックスがあります。」)

- This Whole World (イースタン航空の1970年のCM用に作られた、終わり方が異なる別バージョン)((同記事のアラン・ボイドの発言より: 「また、1970年にイースタン航空のCMのために製作された、「This Whole World」の終わり方の異なるバージョンがあります。割と良いですよ。」

*11:同インタビューのアラン・ボイドの発言より: 「けれども、できれば全曲のアカペラとインストを収録したいと思っています。特に『Sunflower』ではそうしたいです。」

*12:2000年頃に、「Sunflower」のCD再発に際してのボーナス・トラックの一つとして提案されたといわれていますが、未だ未発表です。参考:

FRIDAY NIGHT BOYS: The Beach Boys - Brother Re-Issues Bonus Tracks...

*13:昨年発売された「I Can Hear Music」に収録されたものですが、Aメロのバック・ボーカルが一部欠落していたので、アラン・ボイドがいつか修正版を出したいと述べています。